ページトップへ
ページ最下段へ
福祉総合サイト「ハピネス」 知ることから始めよう、快適な社会作り。

HOME > 記事 > ノートテイクで聴覚障害の学生を支援!

ノートテイクで聴覚障害の学生を支援!

HN:ユウキ

ノートテイク01

ノートテイクで聴覚障害の学生を支援しようと思ったきっかけや、私が感じたノートテイクの難しさなどをお話しします。

スポンサードリンク

ノートテイクを始めるきっかけ

ノートテイクを始めるきっかけは、私の学生時代にさかのぼります。


学生の頃とても成績が悪かったのですが、先生は人柄の良い人で、理解力も記憶力も悪い私に熱心に教えてくれました。


私なりに頑張りましたが、先生の親身な指導の甲斐なく、大変申し訳のない気持ちでいっぱいだったことを覚えています。


そんな私とは逆で、学習能力が高い聴覚障害を持つ友人が同じクラスにいました。


その友人の様子を見ているうちに、ノートテイクで聴覚障害を持つ学生のサポートをしたいと考えるようになりました。


せっかく勉強が得意なのにもかかわらず、聴覚障害のせいで講義内容が理解できずに、もし学習意欲を失ったりすることがあれば、もったいないですから……。


自分自身は勉強することが苦手でも、そういう学生の手助けならできるかもしれない……。


こうして私は、ノートテイクの世界に踏み出したのです。

スポンサードリンク

大変なノートテイク

ノートテイク02

聴覚障害を持っている人は、講義などで先生の話していることが聞き取れなかったり、聞き取りにくかったりします。


そういう学生のために、先生は講義をゆっくり進めたり、いつもより大きな声で話してくれることは残念ながらないでしょう。


でも、それでは聴覚障害の学生は授業についていけなくなってしまいます。


そんな時に役立つのが、ノートテイクです。


これは多くの大学などで取り入れられているボランティア活動の一つです。


最初は、速記で通訳するようなものだと聞いていたので、とても自信がありませんでしたが、1人の聴覚障害学生に対して基本的に2人でノートテイクを行うとわかり、なんとか出来そうだと希望が湧いてきました。


ただ1フレーズ交代かと思っていたら、15~20分ぐらいで交代ということで、スピードについていけるか不安でした。


ノートテイクには、先生が資料や教科書を読んでいる際、どの箇所を読んでいるのかをペンで指す作業があります。


その作業は容易にできるので、気持ちがホッと楽になります。


しかし、速記による同時通訳は、やはりスピードについていくのにとても苦労します。


案の定、ノートテイクを始める前に感じていた不安が的中してしまいました。


特に早口で話す人や複数の人同士のやりとりの場合は、さらに書くスピードが要求されます。


本当に困るのが、モゴモゴと発音が悪い人が話す時です。


どうしても聞き取れない時は、前後の発言から推測するしかありません。


また、『聞きなれない言葉=聞き取れない言葉』になりがちなので、講義内容の知識もある程度必要だと感じました。


もし講義内容を全部書くことが難しければ、臨機応変に重要な内容だけでも伝えることに徹します。


何度も話が途切れた文章を書いてしまい、ノートテイクが必要な聴覚障害の学生に迷惑をかけることがないように心がけています。

スポンサードリンク

ノートテイクに必要な能力

ノートテイク03

ノートテイクは聴覚障害の学生が、他の学生と同様に講義を受けられるようにするものです。


先生の言いたい要点を理解して、簡潔な文章を書くのは、かなりの頭の良さが必要だと感じます。


一般的に1分間で話す言葉を文字に起こすと300文字以上、書ける文字数は60文字程度だと言われています。


同時通訳をするためには、要約の能力が必須です。


要約のテクニックとしては、略語を多用しながら、瞬時に講義内容を簡潔な文章に直すことです。


講義内容の理解力、速記、要約など様々な力を振り絞るため、ノートテイクをやり遂げると、心身ともにかなり疲れます。


それでも、その達成感が嬉しくて、ノートテイクのボランティアを続けられています。

これからもノートテイクを続けていきたい

ノートテイクが聴覚障害を持つ学生の役に立つことは実感しています。


ノートテイクのいいところは学生のためということに限らず、講義の内容を分かりやすく伝えるにはどうすべきかを考えなければならないので、自分自身の勉強にもなります。


心身ともにエネルギーを必要としますが、とても奥が深く興味深いボランティア活動だと言えるでしょう。


聴覚障害の学生にお礼を言われると、大きな喜びを感じると同時に、もっと出来る限りのことをやらなければ!と気持ちが引き締まります。

 

ノートテイクというボランティア活動は速記や要約などの多少の専門技術が必要ですが、訓練を積んでいき慣れると、要領も分かってきて作業しやすくなってきます。


1人の聴覚障害者に2人のノートテイカー(場合によっては3人)がつくため、ノートテイクを必要とするすべての学生が利用できていないケースもあるでしょう。


そのようなケースをなくすためにも、ノートテイクの技術を学ぶ人が少しでも増えてくれることを願っています。


筆者情報 筆者「ユウキ」
■ユウキ

学生時代のとある経験がきっかけで、ノートテイクの世界へ。
その難しさと重要性を同時に感じています。



スポンサードリンク

スポンサードリンク
記事
2017年11月の記事
幼稚園と保育園…発達障害児の場合  発達障害の子供と療育の大切さ 発達障害?我が子の言動にみる兆候
2017年10月の記事
介護職の失敗談~失敗からの学び 訪問介護の仕事をして 福祉の仕事をしてきた私の体験談 介護福祉士の体験談 介護職の失敗談~相手の事を考える
2017年9月の記事
特別児童扶養手当と発達障害児 障害児の就学~我が家の体験談 障害児の学校選び 子供に合った放課後の過ごし方を! 子供が放課後を楽しく過ごすには?
2017年7月の記事
手話を仕事に活かそう 手話の資格を取る方法 手話は英語だと違うの!?
2017年6月の記事
手話を学ぶ事にしたきっかけ 手話を覚える方法 手話をどこで学ぶ?【独学以外の方法】
2017年5月の記事
サイクリングで筋トレをしよう!  スポーツ吹き矢の健康効果とは 社交ダンスは認知症予防に効果的? 卓球が高齢者に与える効果
2017年4月の記事
ゲートボールは高齢者に大人気!  ウォーキングで健康に! フラダンスがエクササイズになる!? ボウリングは健康づくりに最適 体操で介護予防を!
2017年3月の記事
健康づくり のためのボランティア 高齢者福祉施設への慰問 児童養護施設への慰問 手話のボランティアでスキルアップ! 盲導犬のパピーウォーカーを経験して
2017年2月の記事
ノートテイクで聴覚障害の学生を支援! パソコン を使った点訳のボランティア 病院ボランティア で子供と遊んでみて 高齢者 の見守りボランティアの体験 子供 の学習支援のボランティア
2017年1月の記事
ケアマネージャーは苦労が沢山! ホームヘルパー としての注意点とは? ホームヘルパーの資格を取った方法 介護福祉士 としての酷い失敗談 ケアマネージャー として反省した失敗談
2016年12月の記事
介護 の仕事に就くきっかけをくれた母 療育 に携わりたいと思う理由 介護福祉士 の仕事で求めるやりがい 介護福祉士 は苦労が多く報われない ケアマネージャー として働く魅力とは?
2016年11月の記事
パーキンソン病の発症から介護認定まで 福祉用具は生活に欠かせないもの 義足 だった義父の生活 車椅子 を使う私が一番欲しい福祉用具
2016年10月の記事
介護の相談は介護のプロに! 実母の介護は自分との格闘 介護のストレスを解消するための準備
2016年9月の記事
大変だった息子の小学校生活 ADHDの女子高生の日常生活 通学路と消耗品
2016年8月の記事
発達障害ママの日常 何か違う…気づいた次男の異変 発達障害と共に~それは自分探しの旅 アスペルガー症候群と知ってから
2016年7月の記事
私と母と、生活保護費の受給 生活保護を受けた祖母 
2016年6月の記事
交通事故で変わった生活と物の見方 車椅子での外出で思うこと 松葉杖での長期生活で感じた事 都内の大病院でのトイレ体験
2016年5月の記事
母子父子寡婦福祉資金貸付で高校入学 ヘルパーさんのサポートを得て ひとり親家庭等医療費助成を利用して
2016年4月の記事
私の健康法はウォーキング! 散歩と油絵などの趣味 定年退職後の新生活 
2016年3月の記事
知的障害者施設での作業ボランティア 児童養護施設での遊びのボランティア 地域での介護指導 特別養護老人ホームでのボランティア
2016年2月の記事
重度発達障害の次男との生活 自閉症児育児は山あり谷あり
2016年1月の記事
私が介護の仕事を始めるまで 介護の仕事から感じたこと
2015年12月の記事
ボランティアで子供を支援! わたしのボランティア活動 傾聴ボランティアを始めて
2015年11月の記事
精神障害者手帳の入手 試して体によかったこと うつ病と散歩 統合失調症から学んだこと
2015年10月の記事
双極性障害と訪問看護師の力 躁うつ病発覚から復帰に向けて 急増中!管理職の“鬱病” 強迫性障害から脱出して得た身軽さ 過労からうつ病になった体験
2015年9月の記事
うつ病の体験 気付けなかったパニック障害 うつ病を経験して 不安神経症から教わったこと
2015年8月の記事
双極性障害を発症して うつの発症から好転まで うつ病と障害者手帳
2015年7月の記事
買い物時の何気ない苦労 道のバリアフリー 初めての一人旅 身近に潜むバリア
2015年6月の記事
子連れでの買い物1 子連れでの買い物2
2015年5月の記事
てんかんと運転免許~前編~ 人生の価値を高める職業 てんかんと運連免許~後編~ 年金受給で残る将来への不安 初めての電動車椅子と青春 衝撃!夜勤中に起きた出来事 ヘルパーの資格を取得~前編~ ヘルパーの資格を取得~後編~ 後見人の苦労話
2015年4月の記事
介護保険を活用しよう 膠原病との戦いの始まり 介護サービスを受けるという事 おしゃれな杖で出掛けよう♪ 災害時の障害者対応
2015年3月の記事
老老介護の負担を軽く 介護施設について思うこと 刺激になったショートステイ
2015年2月の記事
自立に向けて 問題点だらけの生活保護 祖母と孫と生活保護 生活保護受給までの道のり 生活保護受給で楽になったこと 祖母の一人暮らし 期間限定!生活保護受給
2015年1月の記事
安心して働ける工夫 放課後、どう過ごさせる? 我が家の子供たち三人の日常 沢山の支えがあって 「小1の壁」を乗り切ろう 両親の協力を得て