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年金受給で残る将来への不安

HN:ヒロ

わたしの収入は、障害基礎年金2級の年額780,100円(平成27年度)です。これは、老齢基礎年金と同じ額です。

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障害年金受給までの経緯

学生の頃に不眠が続き、心療内科を受診しました。何度かの診察の結果、うつ病と診断されました。その後の経過は省略させていただきますが、働くことができるレベルには回復できませんでした。
「うつ病なんかで年金がもらえるのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、経過には個人差があり、場合によっては障害年金を受給できると理解していただければと思います。わたしの場合は、入院中に母が障害年金の申請をし、認定されて受給することになりました。

国民年金の保険料が支払えない?

障害年金を受給すると、保険料は「法定免除」といって納付が自動的に納付できなくなります。また、国民年金基金、付加年金にも加入できません。
定期的に診断書を提出する「有期認定」と、症状が悪化した場合に申請するだけの「無期認定」があります。身体障害・知的障害は「無期」になることが多いのですが、精神障害は「有期認定」です。定期的に提出する診断書の内容によっては等級が変わり、停止もあります。

不安の始まり

年金手帳と電卓

母が一番焦ったのが、老齢年金のことです。「納付したい」と役所に相談しましたが、「法律でできませんから」と。いつか障害年金が停止になれば、また納付できるようになりますが、「法定免除」の期間が長いほど老齢年金の額が減ってしまいます。「今は保障するけど、そのかわりに老後は保障しない」と言ってもいいでしょう。

あいまいな認定基準

精神障害の等級の認定基準はあいまいなため、「前回と変わっていない」という内容の診断書でも「等級の変更」「認定しない」に変わることが多いのです。診断書を書くのは主治医ですが、判定する人は他人です。今後、基準を作るそうですが、今のところは「見た感じで何となく」で決まります。

突然の制度変更

平成26年に「希望すれば保険料を納付できる」、「国民年金基金や付加年金も利用できる」という制度に変わりました。遡って過去10年分も納付できるというハガキも届きました。母は、「10年分納付しよう」と言いました。全額で150万円以上になります。そして「これからもできるだけ支払ってあげるからね」と。

戸惑うわたし

窓辺の女性

障害年金がいつまで続くか分からないので、老齢年金を受けるには有利になりますが、結局障害年金がずっと続いたら、母には何のメリットもなくなります。ただの寄付ということに……。これからやりたいことが沢山あって、海外旅行にまた行きたいと父とも話していた母。そんな大きな金額を自分のために使っていいのかと、私は戸惑いました。その戸惑いを母に伝えると、
「あなたの老後が気になったまま、お母さんは死ねないわ。無駄になっても何も気にしないから」と……。
67才の母は10年分と次の1年分、約200万円を役所へ持って行きました。

年金から年金の保険料を払う

本来なら、わたしが保険料を納付すべきです。年金が唯一の収入なので、そこから年金の保険料を支払っていかなくてはなりません。でも、現実的には無理なことです。今は老齢年金を受けながら自営を続ける両親の収入から保険料を納付しています。

将来のために納付するほうがいいのか、療養生活のために使うのか。消費税増税のときに軽減税率は本当に導入されるのか。予想もできない将来を不安に感じながら過ごしています。


筆者情報 筆者「ヒロ」
■ヒロ

愛知県在住の女性です。うつ病を学生の時に発症し、療養生活を続けています。今は働けるようになりたいので、少しずつステップアップしています。



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