ページトップへ
ページ最下段へ
福祉総合サイト「ハピネス」 知ることから始めよう、快適な社会作り。

HOME > 記事 > 障害児の学校選び

障害児の学校選び

HN:やすママ

障害児01

障害児も健常児と同じように就学期が近づくと、学校選びをすることになります。


障害児と言っても様々な障害を持つ子がいますが、今回は我が息子の体験談も含め、発達障害児の学校選びに関する体験談を紹介します。

スポンサードリンク

障害児の学校選び~特別支援級への進学を考えていたころ

障害児の我が子。

幼稚園の年中時代に「自閉症」と診断された息子は現在、公立中学校の普通級2年生。


8年前に近所の公立小学校へ進学する時は、普通級と特別支援級、どちらを選ぶかでとても悩みました。

この悩みは、障害児のお母さんなら経験したことのある方は多いのではないでしょうか。


小学校への進学1年前、つまり息子が幼稚園の年長さんだったころ。

4月時点で、息子はリュック型の幼稚園バッグを1人で背負うことができませんでした。

箸が使えず、フォークも上手く使えなかったため、お弁当は全てスプーンで食べていました。

着替えも1人では満足にできず、スモックのボタンを1人で留められませんでした。


特にどもりながらしゃべる姿は、誰が見ても障害児だったと思います。

そのどもりがあるためか、幼稚園ではほとんど言葉を発さず、友達もいませんでした。

担当保育士さんの言葉に納得

息子のクラスの担当保育士さんには「このままでは、普通級は無理かと思います」と言われていました。


「せめてバッグを1人で背負えないと…ランドセルも1人で背負えないということになりますよね」


保育士さんの言葉に、私は納得していました。


小学校の普通級では、1クラス30人以上の生徒に先生はたった1人ですから、息子がランドセルを背負うのを手伝ってくださいなんてお願いできません。

息子には知能の遅れはないものの、認知の遅れが著しかったので、少人数の特別支援級でのんびり指導していただこうかな…と考えていました。

スポンサードリンク

普通級を選んだ決め手

障害児02

しかし結局この後、息子は普通級に進学します。


4月の時点でほぼ特別支援級に固まっていた私の気持ちを翻したのは、当時息子が通っていた療育でお世話になっていた先生の一言でした。


「普通級には、息子さんとっての『キラキラした憧れ』がたくさんあると思いますよ」


この言葉の意味は「小学校の普通級には、息子にとっての憧れの存在(自分ができないことができる同級生)がたくさんいる。憧れの存在を目で追って学習することによって、息子の大きな成長が見込める」ということ。


「障害児だけれど、普通級に行った方が伸びると思いますよ」と私にアドバイスしてくれたのです。


他の療育の先生からも「普通級でも大丈夫」と言ってもらえたので、私の気持ちは一転、息子を普通級に入れる方向に固まりました。

期待以上の成長ぶりを見せた息子

障害児03

6月、私は担任の保育士さんに学校は普通級に入れたいという旨を伝えました。

すると、保育士さんは「分かりました。今後は自分でできることを増やせるよう、声かけをしていきますね」と協力を約束してくれました。


そのせいかどうかは分かりませんが、息子は年長の1年間でどんどん成長していきました。

幼稚園カバンも自分で背負えるようになり、箸もしつけ箸を積極的に利用して、なんとか使えるように。

着替えも素早くなり、幼稚園での係の仕事も積極的にこなせるようになりました。


一般的に、幼稚園の年長時代はぐんと伸びる子供が多いとのことですが、障害児である我が息子もその波にうまく乗ってくれたようです。

周囲の子供たちより1歩も2歩も遅れてしまう息子に根気よく付き添ってくださった保育士さんには、深く感謝することしきりです。

そして現在は…

障害児04

息子は現在中学2年生になりましたが、結果的に普通級に入れてよかったと感じています。


耳からの学習は不得手だったけれど、目で見る学習はできたようで、周囲を観察してさりげなく真似るスキルを自分で取得してくれました。

今でもやはり同級生とは比べて明らかに発達具合は劣っていますし、障害児であることは隠せませんが、普通級で学んできたのでここまで成長してくれたのではないかと思います。


幸いにも、現在までいじめられることはほとんどなく、親切な同級生に助けられながら、息子は毎日元気で学校に通っています。

就学に向けての準備

障害児05

今年5歳になる長女は発達障害を持っていて、言葉や理解力などに1年から1年半の遅れがあります。

1歳半健診にて言葉の遅れを指摘され、3歳から3歳半まで療育センターで登園サポートを受けていました。


登園サポートの効果があり、加配の先生がつくことなく、去年4月から幼稚園に通っています。

質問の意味が分からない、話す内容が何通りもの意味に受け取れるなど、まだまだ会話は謎めいていますが、娘にとって幼稚園生活が非常にプラスに働き、日々、娘なりに成長しているのがわかります。


そんな娘も今から約1年後には、就学準備を始めなければいけません。

私が住む地域では障害児の就学準備として、療育センター開催の就学説明会、保護者向けの学校見学会、児童の就学検査があり、幼稚園年長の時期に行われます。


障害児をもつ保護者は、公立小学校の通常学級と特別支援学級、特別支援学校などで就学の説明を受けます。

その後、学校見学を希望する保護者に対して、療育センターは学校見学の機会を設けます。

学校見学の後、療育センターを利用する児童や障害児を対象に就学検査の案内があり、その結果は、小学校の選定に反映されます。

また、学区の小学校では9・10月頃に保護者、児童、通常学級の教諭、特別支援学級の教諭による3者面談を行います。


通常学級のみに在籍、特別支援学級のみに在籍、両方の学級に在籍……この3つの選択肢の中からの保護者の希望と就学検査の結果より小学校側が在籍先を決めるといわれます。

スポンサードリンク

学校への入学を見据えて

障害児06

現時点での私の希望は、学区の小学校です。

学区の小学校には通常学級と特別支援学級があります。


特別支援学級に籍を置きながら、基本的には通常学級で過ごすことが理想的です。


娘の状況や支援の必要性に応じて、臨機応変に特別支援学級を利用できればいいと思います。

療育に通う子供を持つ母親同士の話では、特別支援学級では言葉や理解力の成長は望めないといいますが、障害児にとって、通常学級より特別支援学級で学ぶほうが学校生活を楽しめる場合もあると思います。


娘は言葉や理解力に1年から1年半の遅れがありますが、周囲に刺激されて伸びるタイプで、現に年少から現在に至るまでの1年半で、親や主治医の想像を遥かに超えた成長を遂げました。

私は、娘が小学校でも通常学級の同級生から刺激を受けて成長できるのではないか、特別支援学級だけに在籍することは娘にとってマイナスの影響を与えると考えています。


結局のところ、通常学級と特別支援学級どちらに在籍することになるかは、来年受ける就学検査の結果により決定するところが大きいですが、私としては娘が楽しく、心地良く学校生活を送れるよう、最適な環境を整えてあげたいと思っています。

そして、ゆっくり成長する娘を後押ししたいです。

3つの進路

障害児07

発達障害児が幼稚園、保育園などを卒園して就学する時ほど、親にとって頭を悩ませる時期はないのではないでしょうか。


わが家でも例にもれず、幼稚園年中の頃からあれこれ情報収集をし、直前まで悩み抜きました。

健常児の子供達は、通常何も考えることなく地域の小学校の普通学級に進みます。

私の息子は、発達障害のうちの自閉症スペクトラムと診断され、3才まで言葉が話せず、年長組になってもやや言葉の遅れが見られました。


そんな息子に考えられる進路は、小学校の普通学級、小学校の特別支援学級、特別支援学校の3つでした。

就学へ向けての活動を開始

障害児08

息子は幼稚園のほかに、自治体の療育教室に通っていました。

そこの先輩お母さん達のアドバイスに従い、私は息子が年中組の秋頃から、就学に向けての活動を開始しました。

まずは小学校の校長先生と面談し、特別支援学級や普通学級での支援、通級などについてお聞きし、特別支援学級を参観させていただきました。

その後も小学校の校長先生とは春に2度目の面談を行い、その後、最新の発達検査の結果を提出しました。

校長先生にはその年の秋頃にも、3度目の面談の機会を設けていただきました。

また、特別支援学級の担任の先生が春に変わっていたので、秋頃に再度参観させてもらい、息子の支援学級の「体験」をお願いし、私も同席して朝の会に参加させていただきました。


このほか、療育教室から特別支援学校の見学案内があり、初めて見学に行ってみました。

悩んだ末の決断

障害児09

つたないながらも言葉でコミュニケーションは取れるので、特別支援学校ではなく、小学校の普通学級か特別支援学級になるであろう。


主治医からはそう言われていた息子。


小学校からは、特別支援学級を選ぶならその旨を年末までに申し出るように言われました。

年末に向けて、主治医の先生、言語療法の先生、療育教室の先生、そして幼稚園の担任や補助の先生と、あらゆる方々に意見をもらいました。

年長の秋までは、ほぼ皆さん全員の意見が「特別支援学級の方がよいのではないか」というものでした。


しかし、私は息子の特性を優先して考えました。

自閉症スペクトラムの子供は孤独を好むことも多いですが、息子の場合は集団の中にいるのが好きで、周りのみんなをお手本にまねをしながらがんばるタイプです。

その点では、特別支援学級ではあまり周りのお手本は望めないと思っていました。


幼稚園の先生も私の考えに同意して、「年長になってからの伸びを考えると普通学級でもいけるかもしれない」と言ってくれました。

それを受けて私は年末まで夫と何度も話し合い、息子の特性から普通学級でやってみようと決断したのです。

その後のこと~現在に至るまで

障害児10

こうして息子は普通学級に入学しました。


入学前には息子の特性を記したシートを学校に提出し、入学後は担任の先生と事あるごとに面談をさせてもらい、息子の特性や対処のしかたについて話しました。

1年生のp2学期からは校内にある「ことばの教室」に週1回通い、言葉のゲームで苦手を補うなどの支援を受けました。


現在は中学年になりましたが、教室の席は入学以来、いつも前から3列目までにして下さり、困った時にはすぐ先生がフォローしてくれています。

先生ともこまめ連絡を取り合うよう心がけています。


就学の際には周りからも色々意見をもらうと思いますが、やはり大事なのは、わが子の特性を知り抜いている親の直感かなと思います。

もちろん周りの意見も参考にし、できる限りの情報収集をした上で、わが子にとって最善の進路を選んでほしいと思います。


筆者情報 筆者「やすママ」
■やすママ

自閉症の我が子の成長をゆっくり見守っていきたいと思っています。



スポンサードリンク

スポンサードリンク
記事
2017年11月の記事
幼稚園と保育園…発達障害児の場合  発達障害の子供と療育の大切さ 発達障害?我が子の言動にみる兆候
2017年10月の記事
介護職の失敗談~失敗からの学び 訪問介護の仕事をして 福祉の仕事をしてきた私の体験談 介護福祉士の体験談 介護職の失敗談~相手の事を考える
2017年9月の記事
特別児童扶養手当と発達障害児 障害児の就学~我が家の体験談 障害児の学校選び 子供に合った放課後の過ごし方を! 子供が放課後を楽しく過ごすには?
2017年7月の記事
手話を仕事に活かそう 手話の資格を取る方法 手話は英語だと違うの!?
2017年6月の記事
手話を学ぶ事にしたきっかけ 手話を覚える方法 手話をどこで学ぶ?【独学以外の方法】
2017年5月の記事
サイクリングで筋トレをしよう!  スポーツ吹き矢の健康効果とは 社交ダンスは認知症予防に効果的? 卓球が高齢者に与える効果
2017年4月の記事
ゲートボールは高齢者に大人気!  ウォーキングで健康に! フラダンスがエクササイズになる!? ボウリングは健康づくりに最適 体操で介護予防を!
2017年3月の記事
健康づくり のためのボランティア 高齢者福祉施設への慰問 児童養護施設への慰問 手話のボランティアでスキルアップ! 盲導犬のパピーウォーカーを経験して
2017年2月の記事
ノートテイクで聴覚障害の学生を支援! パソコン を使った点訳のボランティア 病院ボランティア で子供と遊んでみて 高齢者 の見守りボランティアの体験 子供 の学習支援のボランティア
2017年1月の記事
ケアマネージャーは苦労が沢山! ホームヘルパー としての注意点とは? ホームヘルパーの資格を取った方法 介護福祉士 としての酷い失敗談 ケアマネージャー として反省した失敗談
2016年12月の記事
介護 の仕事に就くきっかけをくれた母 療育 に携わりたいと思う理由 介護福祉士 の仕事で求めるやりがい 介護福祉士 は苦労が多く報われない ケアマネージャー として働く魅力とは?
2016年11月の記事
パーキンソン病の発症から介護認定まで 福祉用具は生活に欠かせないもの 義足 だった義父の生活 車椅子 を使う私が一番欲しい福祉用具
2016年10月の記事
介護の相談は介護のプロに! 実母の介護は自分との格闘 介護のストレスを解消するための準備
2016年9月の記事
大変だった息子の小学校生活 ADHDの女子高生の日常生活 通学路と消耗品
2016年8月の記事
発達障害ママの日常 何か違う…気づいた次男の異変 発達障害と共に~それは自分探しの旅 アスペルガー症候群と知ってから
2016年7月の記事
私と母と、生活保護費の受給 生活保護を受けた祖母 
2016年6月の記事
交通事故で変わった生活と物の見方 車椅子での外出で思うこと 松葉杖での長期生活で感じた事 都内の大病院でのトイレ体験
2016年5月の記事
母子父子寡婦福祉資金貸付で高校入学 ヘルパーさんのサポートを得て ひとり親家庭等医療費助成を利用して
2016年4月の記事
私の健康法はウォーキング! 散歩と油絵などの趣味 定年退職後の新生活 
2016年3月の記事
知的障害者施設での作業ボランティア 児童養護施設での遊びのボランティア 地域での介護指導 特別養護老人ホームでのボランティア
2016年2月の記事
重度発達障害の次男との生活 自閉症児育児は山あり谷あり
2016年1月の記事
私が介護の仕事を始めるまで 介護の仕事から感じたこと
2015年12月の記事
ボランティアで子供を支援! わたしのボランティア活動 傾聴ボランティアを始めて
2015年11月の記事
精神障害者手帳の入手 試して体によかったこと うつ病と散歩 統合失調症から学んだこと
2015年10月の記事
双極性障害と訪問看護師の力 躁うつ病発覚から復帰に向けて 急増中!管理職の“鬱病” 強迫性障害から脱出して得た身軽さ 過労からうつ病になった体験
2015年9月の記事
うつ病の体験 気付けなかったパニック障害 うつ病を経験して 不安神経症から教わったこと
2015年8月の記事
双極性障害を発症して うつの発症から好転まで うつ病と障害者手帳
2015年7月の記事
買い物時の何気ない苦労 道のバリアフリー 初めての一人旅 身近に潜むバリア
2015年6月の記事
子連れでの買い物1 子連れでの買い物2
2015年5月の記事
てんかんと運転免許~前編~ 人生の価値を高める職業 てんかんと運連免許~後編~ 年金受給で残る将来への不安 初めての電動車椅子と青春 衝撃!夜勤中に起きた出来事 ヘルパーの資格を取得~前編~ ヘルパーの資格を取得~後編~ 後見人の苦労話
2015年4月の記事
介護保険を活用しよう 膠原病との戦いの始まり 介護サービスを受けるという事 おしゃれな杖で出掛けよう♪ 災害時の障害者対応
2015年3月の記事
老老介護の負担を軽く 介護施設について思うこと 刺激になったショートステイ
2015年2月の記事
自立に向けて 問題点だらけの生活保護 祖母と孫と生活保護 生活保護受給までの道のり 生活保護受給で楽になったこと 祖母の一人暮らし 期間限定!生活保護受給
2015年1月の記事
安心して働ける工夫 放課後、どう過ごさせる? 我が家の子供たち三人の日常 沢山の支えがあって 「小1の壁」を乗り切ろう 両親の協力を得て