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アスペルガー症候群と知ってから

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数字

幼少期より周りの子と馴染めず、他の子とズレてるんじゃないかな、と悩んでいました。




小中学生ではからかいの対象となり、高校は自分の居場所を見いだせず中退し、20代前半までは自分が何者なのかわからぬまま迷走していました。




ある精神科医の先生にアスペルガー症候群と診断していただいてから、心のなかの霧が晴れていきました。




今回は、私がアスペルガー症候群と診断される前と後の自分の受け止め方をお話しさせていただきます。

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20から先が数えられない

自分と周りのズレを感じ始めたのは、幼稚園でクラスの皆と大声で数を数え合っていた時でした。




皆と一緒に「1!2!3!」と周りに負けない声を張り上げていたのですが、数が20以降になった途端声が出なくなりました。




それまで20までしか数えたことがなかったので、なんと言ったらいいのか分からなかったのです。




皆が「21!22!23!……」と、元気よく数えている様子がとても不思議に見えました。




今考えると、「20までしか数えたことがない」から「20から先に興味がなかった」のだと思います。




アスペルガー症候群はこだわりが強いのが特徴的で、中には興味の無いことは全くしない人もいます。




私の場合、物を数える時もお風呂でカウントするときも20から先を数えたことがなかったため、必要ないからと放っておいてしまったのです。




皆ができることをできない私は変な奴と認識されて、小中学校はからかいの対象にされました。




その頃から集団生活の辛さや生きにくさを感じ、自ら命を絶つことを考えるようになっていき……

自分って何者なんだ……?

希望の光

高校に進学した後も、自分のこの先の目標が見いだせず2年生の時に中退し、ニートとして2年半自宅で引きこもっていました。




その時から生きる意味を見失い、19歳の夏に命を絶とうとしてしまいました。




幸い一命を取り留め後遺症もありませんでしたが、家族に「引きこもり生活で心が壊れたのでは」と酷く心配をかけてしまいました。




そこからアルバイト、定時制高校、正社員として社会復帰と生きる道を探してきたものの、癇癪を起こして問題を起こしたり、周りの作業ペースについていけず退社するなど安定した生活はできませんでした。




「もしかして、自分は社会に出ちゃいけない人間なのか?」




そう本気で考えていた時に、ある精神科医の先生にお会いしました。

自己理解と客観視

精神障害者手帳

その先生は、大人の発達障害を専門に診ておられる方でした。




私の苦しかったことや悩んでいたことを汲み取って、親身に話を聴いて下さいました。




問診や知能テストを経て、2011年の7月にアスペルガー症候群と診断され、精神障害者手帳を受給されました。




「単語としては聞いたことがあるけれど、どんな症状があるのだろう?」とインターネットで調べ始めました。




すると「スケジュール管理や作業手順の整理が苦手なので、やるべきことの優先順位を決めておく」、「一度に複数のことをこなすのが難しいので、順を追ってもらうように伝える」などの対処方法も知ることができました。




これまで自分自身とどう向き合えばいいのかわからずモヤモヤした状態から、対処方法を知り人生の指針が見えてきて、本当に気持ちが楽になりました。

前を向いて……

トレイを持つ男性

現在は就労移行施設でカフェの運営を手伝いながら、私の特性をプラスに生かせる場所での社会復帰を目指しています。




今はマイナスの特性が出てきたり困ったことが起きても、「自分は今こんな状態なのです」と落ち着いて周りに話して対処できるようになりました。




下向きしか見えなかった自分が、今前を向けるなんて本当に嬉しいです。


筆者情報 筆者「dub_dub_step」
■dub_dub_step

2011年7月にアスペルガー症候群と診断されました。
真夏の気温で気持ちが乱れぬよう、気を付けて生活しています。



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